今日の困難はプロレタリアを打倒してはいない;
プロレタリアは資本主義転覆の為のあらゆる力を保持している
旧「社会主義」ブロックの崩壊やUSSR自身におけるスターリン体制の崩壊、及び75年前にプロレタリア革命を経験したUSSR自身の分裂等といった、ここ2年間における数々の事件の周囲に組織された巨大なキャンペーンが、労働者階級を衰弱させたことは真実である。スターリニズムは、ブルジョワジーの反革命の尖鋭部隊であった:その死と共にスターリニズムは、労働者階級が資本主義の全体的分解により労働者階級のふところにおいて引き起こされた数々の困難に既に直面していた時に、更に自らの死臭を彼らに嗅がせることによって、ブルジョワジーの最後の役に立った。今日、多くの労働者はこれらのブルジョワジーのキャンペーンの犠牲者であり、いつの日か世界を変える可能性を有し、資本主義的搾取を廃止するという全ての希望を捨ててしまった。旧東側ブロックの、プロレタリアが反革命の最も過激な形態を耐え忍んできた国々において、プロレタリアはブルジョワジーの幻想の爆発に対し、その最も古風な幻想に対してさえ、反対する力を持っていない。:スターリニズムが自らの帝国主義的政策を覆い隠しすのに用いた「プロレタリアのインターナショナリズム」とわざと正反対のことをする為、彼らはナショナリズムのヒステリーによって飲み込まれてしまった:スターリン主義者達によって説き勧められた無神論に対する反動から、彼らは教会の腕の中へと突進した。しかしながら、世界プロレタリアの最も決定的な部門があるのはそこではない。これらの部門が存在するのは、欧米における資本主義の最先進諸国である。最も集中的、そして世界のプロレタリアの中でも最も経験をつんだ諸大隊が生き、働き、闘っているのは、世界のこの部分、特に西ヨーロッパにおいてである。そして、プロレタリアのこの部門は未だ敗北させられてはいない。彼らが現代の虚偽によって方向を見失わされているとしても、彼らは、ブルジョワジーやナショナリスト、又は民主主義者の旗の下に入らされたわけではない。特に、湾岸戦争時、先進国のブルジョワジーは職業軍人のみを使用した:それは、徴集兵(が存在する所において)、即ち軍服を着た労働者が、「人権と民主主義の擁護」の為に身を捧げる準備などできていないことを、ブルジョワジーが自覚していたことの証しである。そしてこの戦争は、民主主義とその「世界新秩序」に関する欺瞞が何を意味しているのかを、労働者階級の眼に更にはっきりと暴露する役目をを引き受けていたのである。
現在、民主主義の荘厳なミサの祝賀である選挙は、プロレタリアによってますます見捨てられたものとなっている。労働組合、即ち被搾取者の闘争を妨害する為に彼らを指導する役割を担ったブルジョワ国家の道具についても同様である。また、経済恐慌の免れ得ない悪化が、資本主義経済の「優位」についての幻想を更に一掃することを引き受けることになり、と同時に、それは労働者階級に一層拡大し団結した闘いの途を再び取り戻すことを余儀なくさせるであろう。それは、1960年代後半より始まり、1980年代中頃において特に発展の一途であった途であり、しかしながらこの過去二年間における諸々の事件によって労働者階級が一時的に去らせられた途である。ブルジョワジーが安堵の溜息と共に急いで埋葬したマルキシズムは、今後、それが破綻したのではなく、全くその逆であることを証明する:唯一マルキシズムのみが予測・説明し得た恐慌の現在の悪化は、この理論がどれほど生きたものであるかを示している。そしてその生命力は、労働者闘争の再生起を強め、元気付けるのみである。
自らの闘争と意識とを発達させる為の労働者階級の努力において、その最も進んだ分子である真の共産主義者の役割は、最重要かつ決定的なものである。昨日においてと同様、今日、「プロレタリアとブルジョワジー間の闘争の様々な段階」、における共産主義者の任務は、「国籍に左右されない全プロレタリアの共通利益の主張及び行使」であり、「常にその運動全体における利益」(「共産党宣言」より)を代表することにある。
現在の歴史的状況の深刻さと、それに賭けられたものに対し、又、ブルジョワジーの欺瞞の爆発に対抗し、プロレタリア闘争の発達及びプロレタリアの意識の成熟に貢献することを目指して、自らの古い分裂やあらゆる党派精神を乗り越え、彼らの間で分析を明確化させ、プロレタリアにおける共産主義的立場の擁護に向けますます団結した方法で参加することを可能にする同胞愛に満ちた討論を開く役目が、現存する革命家の微力にかかっているのは、この為である。
プロレタリアが自らの闘争を展開する為に団結を必要とするのは、まさにこの同じ連帯精神こそが、明晰さの中においてのみ実現され得、前衛の力、つまり共産主義者を動かし導かなければならない為である。
プロレタリアよ、
歴史上今日ほど賭けられたものが悲劇的かつ決定的であったことはなかった。プロレタリアに負わされた責任に比較しうるような責任に、一つの社会階層が直面しなければならなかったことはかつてなかった。もしプロレタリアがこの責任を全うすることができなければ、文明、そして人類までもが終焉に至ることになるであろう。そして何千年もの進歩、労働と思想とが永久に全滅させられることになるであろう。二世紀にわたるプロレタリア闘争と、何百万もの労働者の殉難は全くの無駄となるであろう。ブルジョワジーによるあらゆる犯罪的計略を撃退する為、彼らの卑劣な欺瞞をかわし、世界的共産主義革命を目指す諸君の闘争を発展させる為、必然の君臨を廃止させ、遂に自由の君臨へと到達する為、
万国のプロレタリアよ、団結せよ!
1991年7-9月